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 分娩室へ。
午後7時、「じゃ、分娩室にいきましょう」と、やっとお迎えが来た。DFKに身体をおこしてもらって立ち上がろうとするが休みなく襲ってくる陣痛のためになかなか思うように行かない。やっと立ち上がってヨロヨロと分娩室へ。分娩台に上るのも一苦労。不思議だ〜。自分の身体がまるでベツモノのような感覚。
分娩台に上り、腰をさすってくれる人が居なくなったので一人でもがき苦しむ。今までは横向きで結構ラクだったのに、分娩台だから仰向けにならなければいけない。これがキツイんだなぁ〜。苦しいんだなぁ〜〜。。
自分の意思と無関係に身体が、これから起こることを予期して収縮運動を繰り返している・・・いや、収縮じゃなくて拡張してるんだよな、本当は。
と、激しい痛みを感じモニタからのポヨの大きな心音の響く中、考える。

助産婦さん、看護婦さんがバタバタと分娩の支度をしている。陣痛も佳境に入ってきて、逃すのが大変。呼吸法、と助産婦さんに言われてフーフやってみるが、ここまで来ると呼吸も思い通りにならない。だって、おなかが痛いんだもの!!すっげー痛いんだよ!!!割れそうに痛いんだよ!!!!
が、それに反して頭の中ではどうやって冷静を保とうかなぁ〜と、比較的ノンキな私。う〜ん、実はまだまだ大丈夫そう?

いよいよお産が近づいてくると、何を教えてもらわなくても「そのとき」がわかるようだ。ナルホド、こういうもんなのか!しかし内診ではさっきと変わらず8センチ開のまま。むぅ、もっと身体をリラックスさせれば子宮口も早くひらくはずなのに。しかし収縮にあわせてリラックスなんてこと、至難の業だ。が、学生時代に声楽で鍛えた腹式呼吸をやってみる。と、9センチ開。「まだあと1周のこってるの。赤ちゃんは下を向いてでてくるんだけど、まだ横向いてるのよ。」ええ〜、ポヨ、はやくぅ!!お母さんはもう大変ですよう!!
しかしポヨも大変だよなぁ。ギウギウ締めつけられながら出てくるんだから。頭もとんがるわけだわ。しかし自分の体がこれほど思い通りにならないのは初めてだ。この感覚、信じられん!!と〜っても動物的で原始的な感覚。お産でもしなければ、こんな感覚になることはなかっただろうな。こんなオソロシイ経験をするから、母は強くなれるのかな。
・・・と、また吐きそう。のどまででかかったものを飲み込む。

7時30分、全開大。内診で股のあたりがすごくぬれた感じがした。「なんか、ぬれてる?」と聞くと、「出血しちゃったのね」と言われた。ナルホド、上部のライトの反射板部分にソレが映っているのが確認できた。けっこう出血したなぁ。もう早くいきんで産んじゃいたいなぁ。でも先生がこないいぃぃぃ・・・・・・早く来てくれええぇぇ。。
7時40分、先生到着。そして破水。ぬるーい。「はい、じゃぁねー、深呼吸してから、んーと力入れてみて」助産婦さんに言われたが、最初なんのことかわからなかった。何?いきんでいいの?「いきんでください」とか、もっとわかりやすく言ってよー!私がビミョーに混乱していると、先生と助産婦さんがボソボソしゃべっているのが聞こえた。「いいの?大丈夫なの?」「さぁ〜、初産だからくるかどうかわからないですけどねぇ〜」・・・フゥン、初産ってそんなもんなんだ?そういえば、先日出産した友人の話では「いきんでください!っていわれてもどこに力を入れていいかわからなかった」と言っていた。初産てそんなもんなんだねぇ。。。と、回想していたら、お産の波が来た。ヨーシ!産んでやろうじゃん!と、力の入れ方の方向を1,2回さぐり、「来た!」と思った時にぐぐーと腰に力を入れる。腰が浮いてしまう。目を閉じてしまう。ダメダメ、腰は分娩台につけたまま、目はちゃんと開いて!と助産婦さんに言われ、ああそうでした、と目を開く。
しかし必死でいきみながらも頭の中では「あ〜あ、これで股を切られちゃうなー」と考えているのである。だって、やっぱりヤダよ。なるべくなら切らないでほしいよ。でもこれも試練(?)、仕方ないか。。

「はーい、とっても上手ですよー」と助産婦さんの応援が入る。そうかー?やっぱり妊娠中の体力づくりが役立った?スクワットのたまもの?そして自分のお腹につけているモニタのベルトがはずれたことが気になり「あの〜、ベルトがはずれちゃったんですけど」と助産婦さんに言うと、「ああ、いいわよ。あなた冷静ねぇ。」と感心される。
ウンウンいきんでいても、結構周囲のことが気になるもので、カーテンで仕切られたおとなりの分娩台には、微弱陣痛で4時頃に分娩室に入った産婦さんがまだ頑張っているのだということに気が付いた。うへぇ、大変だ〜!しかも誘発剤の点滴がカラッポになったとか言ってるよぅ(T_T)彼女はまだ苦しまなければいけないんでしょうか。。。でもゴメンナサイ、私が先に産みますです。。。
5,6回いきんだところで「はい、もう次で赤ちゃんうまれそうですよ」と言われた。ええ、ポヨのやつなかなか仕事がはやいじゃないの♪そういわれると俄然ヤル気に。

モニタから流れるポヨの大きな心音をききながら、波を待つ。陣痛の波にのって生まれてくるなんて、やはり人間は海から来たのだわぁ。(違うか?)
そして陣痛がピークになり、ウーンと力を入れる。陣痛の痛みで股を切る痛みなんかわからない、なんてよく言われているけれど、そんなことないぞ。マスイの注射だって痛いし、切開だってうんと痛いぞ!
注射だの切開だのにいちいち「痛い!」と反応しているうちに、ポヨの頭が出てきた。
頭が出てきた、と言われたところでポヨの心音が聞こえにくくなった。当然のことなんだけれど、なんだか不思議。
頭が出るともう力を抜いたほうがいいんだって。ここで「もういきまないでください」といわれるとパニックになる、という話もよく聞くけれど、私は自然と力が抜けた。「ああ、もういいのね」みたいな感じ。
股の間でポヨがギリギリと出てくるのがわかる。イテーよ。「赤ちゃんの肩が出まーす」と助産婦さんの声。

ずるり、と何かが出たのがわかった。
何だ、この感覚は。ちょっとホラーな感じ。ずるりと出たのと同時に、モニタの心音が消えた。
ああ、生まれたんだな。頭ではわかっていても、なんだか状況を理解するのが難しい。と、「オエッ」という声がきこえた。オエッ、ゴボッ・・・オエェアァ・・・ゲボッ。・・・誰?何か飲んじゃったらしい。さっさと吐いちゃいなさい。
助産婦さんが処置をしてくれている間、看護婦さんが来て採血を始めた。が、なかなかうまくいかず、左腕を断念して左肩から採血。
せっかくポヨが生まれたのに、採血のほうが気になってしまう私。「きこえますか?赤ちゃんの声ですよ」と言われ、「ハイ、聞こえます」と自分の採血を見ながら答える。
オエェアァァ、オエェアァァと、誰かが泣いている。なんとも不思議だ。
「はい、赤ちゃんですよ〜」と目の前に出された小さい人は、髪の毛フサフサ、赤い顔をくちゃくちゃにして泣いている。そして、DFKにそっくりだ!!
「ちんちんついてませんよー。性別は聞いていたんですか?」「いいえ」「女の子ですよ」・・・そうか、女の子か・・・。
小さい人は身体をキレイにしてもらいに行った。


わたしの身体にはまだ胎盤が残っている。
胎盤ってどんなんだろう?やっぱりゼリー状でブルブルしてんのかな?
助産婦さんが、私の股の間からでていたヒモ(へその緒)をひっぱり、私のおなかを押すと、ベロベロと生温かくてやわらかいものが出てきた。けっこう大きい。
ああ、気づけば私のおなかは平らになっていた。懐かしい。

切開した部分を縫うのなんか痛くない、とう話もよく聞くけれど、縫われるのだって痛いぞ。
先生が慣れた手つきでスイスイ縫ってくれたけれど、やはりいちいち反応して「イテー」とか言ってしまった。思わずいつもの調子で「イテー、キィ!」と言ったら先生に笑われた・・・。


ポヨが生まれたのは19時55分。
3445g、50cm
疑惑の破水で入院してそのまま陣痛がはじまり、本格的な陣痛になってからは6〜7時間での出産。初産にしては早かったのかなぁ。
 分娩後。
出産直後は2時間は分娩台の上で安静にしていなければならない。

ところで、カーテンをはさんだ隣の分娩台には陣痛室で左隣だった産婦さんがまだウンウン言っている。微弱陣痛のため、16時に分娩室に入ったのになかなか生まれてくれないらしい。誘発剤を点滴してもなかなかいい陣痛が来ないらしい。
が、そんな彼女も私から遅れること1時間、無事に女の子を出産しました。
おもわずもらい泣き。。


分娩台の上で休んでいるうちに、身体がどんどん変化していることに気づいた。
腕や脚の血液がスーと引いていく感じ。おなかの部分を満たしていたものが消えたから、それを補おうとして?こういうのってホメオスタシスっていうんだっけ。。。
そして、腰がすごく痛い。助産婦さんに言うと、これは「後陣痛」だという。経産婦や、私のように陣痛が進むスピードが早い人はなりやすいのだという。
後陣痛の名の通り、深呼吸して痛みを逃さないといけないくらい痛い。そして子宮もどんどん収縮していてすごく痛い。もどりが良いということで、好ましいことではあるのだけれど、かなり痛い。いつまで続くのかなぁ。
2時間後、おなかの様子を見るとだいぶ子宮が小さくなっている。悪露もずいぶん出たようだ。

助産婦さんに促され、分娩台から降りて立とうとしたら、貧血のような感覚になり、まともに立てない。助産婦さんの「大丈夫ですか?」の声にもまともに返事ができない。身体を起こそうとすると胃のあたりがキリキリと痛み、頭はクラクラするしとてもじゃないけれど自力でなんか歩けない。車椅子を用意してもらい、やっとの思いでそれに座り、DFKの待っている廊下に出た。


助産婦さんが新生児室の前の廊下の、ガラス越しにポヨの見えるところに車椅子を止めてくれて、DFKを呼んでくれた。
ガラス越しにポヨを見ていたら、涙が出てきた。
DFKが来たらもっと涙が出てしまった。
やっと安心した。


18時の時点で運ばれてきた夕食が冷蔵庫にとってあったので、温めなおして食べた。
さっき「吐きそう」だったのがウソのようにモリモリ食べた。やはりお産はおなかがすく。
DFKは一緒にいてくれて、私がモリモリ食べるのを見て感心している。「きみはあんなの産んどいてよくケロリとしてるね」
まったくだ。人間って、女ってすごいな。
食後、新潟の叔母に電話してポヨがうまれたことを伝えた。


DFKと別れた後、病室に案内され、車椅子から立ち上がりベッドへ。
ああ、身体がだるくて痛い。
後陣痛がひどいので、痛み止めをもらおうと思ったら「子宮の戻りがすごくいいってわけじゃないので、できれば痛み止めは飲まないほうがいいです」と言われた。痛み止めは子宮の収縮と反する作用があるらしい。ならば、とガマンすることにしたが、やはり痛い。
痛いのと、どうやらすこし血圧が上がったらしく、午前3時頃まで眠れなかった。

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